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試用期間について

こんにちは。HiELCC相談員をしている弁護士の山崎です。

 試用期間とは、ある裁判例(東京地方裁判所令和2年9月28日判決)の表現を借用すると「職務能力や適格性を判定するため、使用者が労働者を本採用前に試みに使用する期間」のことをいいます。

 わが国では、長期雇用の慣行や解雇制限等により使用者と労働者との間の人的関係が長期間にわたることから、本採用をするにふさわしい職務能力や適格性の有無を判断するために、このような期間が設けられることがあります。

 試用期間を経過後、正規雇用をするにふさわしい職務能力や適格性があるとされるとそのまま正規雇用されることとなりますが、そうでないとされると正規雇用が拒否されることもあります(ただし、後でも触れますが、無条件に正規採用を拒否することができるわけではありません。)。

 そのような性質があるので、試用期間中の使用者と労働者との間での労働契約は、「解約権留保付労働契約」であるといわれることがあります。  
とはいえ、文章で説明されてもややピンとこない方もおられると思いますので、ここでは、試用期間に関する代表的なご質問について、Q&A方式で回答してみたいと思います。

Q1
「有期雇用の労働者でも試用期間を設けることができますか?」


A1
設けられた期間が試用期間なのか雇用期間なのかという認定の問題はありますが、一般論として、有期雇用の労働者であっても試用期間を設けることはできます。

Q2
「試用期間中ということは、使用者は好き勝手に解雇することができるということですか?」

A2
いいえ、そうではありません。試用期間中の労働契約において使用者が労働者を解雇したり、試用期間終了後の本採用を拒否したりするにあたっては、①客観的に合理的な理由があり、②社会通念上相当であると認められること、が必要とされます。

Q3
「試用期間を設けるにはどのようにすればいいですか?」

A3
一般論としては、使用者と労働者との間で取決めをすることとなりますが、使用者・労働者間での個別の取決めのほか、就業規則で取決めをすることもできます。

Q4
「試用期間としてはどれくらいの期間を設ければいいですか?」

A4
一般論としては、使用者と労働者との間で取決めをすることとなりますが、多くの会社では、3か月~6か月あたりで取決めがされているようです。

その他にも、何か気になることがありましたらHiELCCまで遠慮なくお問い合わせください。 広島県・今治市雇用労働相談センターでは、月曜から金曜までの午前9時から午後5時まで、弁護士・社労士が無料で相談に対応しております!