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令和6年4月より、労働契約締結時に明示すべき労働条件が追加されました

こんにちは。HiELCC相談員をしている弁護士の山崎です。  先日のコラムでは、「令和6年4月より、労働者の募集時に明示すべき労働条件が追加されます」とのタイトルのもと、事業主が労働者の募集を行ったりハローワークや職業紹介事業者へ求人申込みを行ったりする場合に労働者(求職者)に対して明示すべき労働条件が追加されることになったことを説明させていただきました。  今回のコラムでは、似たような内容なのですが、労働契約締結時に(主に労働条件通知書等で)明示すべき労働条件についても新たに追加されることになったことに触れてみたいと思います。  今回の改正では、具体的に ①すべての労働契約の締結時と有期労働契約の更新時には「就業場所・業務の変更の範囲」を ②有期労働契約の締結時と更新時には「更新上限(通算契約期間または更新回数の上限)の有無とその内容」を ③無期転換ルールに基づく無期転換申込権が発生する契約の更新時には「無期転換申込機会」と「無期転換後の労働条件」を それぞれ明示しなければならないこととなりました。 (参考)厚生労働省 「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」 https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156050.pdf 「2024年4月からの労働条件明示のルール変更 備えは大丈夫ですか?」 https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156048.pdf  いわゆる「無期転換ルール」が導入され10年以上となるところですが、無期転換ルールを回避するためになされた雇止めではないかとか、有期労働契約が更新されると期待していたのに更新されなかったとか、そういった相談事例に接することがあります。  人を雇う側も働く側も、これからどういった労働条件で仕事をすることになるのかについて、今回の改正を契機として互いに共通認識をもつようにすることが、トラブルを回避するためには大切ではないかと痛感しています。  詳しくは、HiELCCまで遠慮なくお問い合わせください。 広島県・今治市雇用労働相談センターでは、月曜から金曜までの午前9時から午後5時まで、弁護士・社労士が無料で相談に対応しております!

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試用期間について

こんにちは。HiELCC相談員をしている弁護士の山崎です。  試用期間とは、ある裁判例(東京地方裁判所令和2年9月28日判決)の表現を借用すると「職務能力や適格性を判定するため、使用者が労働者を本採用前に試みに使用する期間」のことをいいます。  わが国では、長期雇用の慣行や解雇制限等により使用者と労働者との間の人的関係が長期間にわたることから、本採用をするにふさわしい職務能力や適格性の有無を判断するために、このような期間が設けられることがあります。  試用期間を経過後、正規雇用をするにふさわしい職務能力や適格性があるとされるとそのまま正規雇用されることとなりますが、そうでないとされると正規雇用が拒否されることもあります(ただし、後でも触れますが、無条件に正規採用を拒否することができるわけではありません。)。  そのような性質があるので、試用期間中の使用者と労働者との間での労働契約は、「解約権留保付労働契約」であるといわれることがあります。   とはいえ、文章で説明されてもややピンとこない方もおられると思いますので、ここでは、試用期間に関する代表的なご質問について、Q&A方式で回答してみたいと思います。 Q1 「有期雇用の労働者でも試用期間を設けることができますか?」 A1 設けられた期間が試用期間なのか雇用期間なのかという認定の問題はありますが、一般論として、有期雇用の労働者であっても試用期間を設けることはできます。 Q2 「試用期間中ということは、使用者は好き勝手に解雇することができるということですか?」 A2 いいえ、そうではありません。試用期間中の労働契約において使用者が労働者を解雇したり、試用期間終了後の本採用を拒否したりするにあたっては、①客観的に合理的な理由があり、②社会通念上相当であると認められること、が必要とされます。 Q3 「試用期間を設けるにはどのようにすればいいですか?」 A3 一般論としては、使用者と労働者との間で取決めをすることとなりますが、使用者・労働者間での個別の取決めのほか、就業規則で取決めをすることもできます。 Q4 「試用期間としてはどれくらいの期間を設ければいいですか?」 A4 一般論としては、使用者と労働者との間で取決めをすることとなりますが、多くの会社では、3か月~6か月あたりで取決めがされているようです。 その他にも、何か気になることがありましたらHiELCCまで遠慮なくお問い合わせください。 広島県・今治市雇用労働相談センターでは、月曜から金曜までの午前9時から午後5時まで、弁護士・社労士が無料で相談に対応しております!

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辞職と退職願の提出、どう違うの?

こんにちは。HiELCCで相談員をしています弁護士の長井です。 労働者が自分の意思で退職する場合、「辞職」するというだけでなく、「退職願」を出すということもあるのではないかと思います。 この「辞職」と「退職願の提出」。一般的には同じこととして扱われているかもしれませんが、それぞれ法的な意味合いは異なります。 まず、「辞職」とは労働者による一方的な告知によって、使用者との労働契約を終了させるものと言われています。 この労働者の「辞職」の意思表示は一方的なもので、使用者に届いた時点で解約告知としての法的効力が生じます。 そのため、後に労働者側からの撤回はできないとされています。労働者は2週間の予告期間をおけば原則としていつでも労働契約を解約できます(契約期間の定めのあるとき)(有期労働契約)は、契約期間の満了前に退職することはできませんが、「やむを得ない事由」がある場合には即時に解約できます。 次に一般的な就業規則に記載のある退職願による手続きは、労働者からの退職願の提出とこれに続く会社の受理(承認)により成立する合意解約と位置づけられます。この合意解約は、労働契約の当事者である労働者と使用者が合意して労働契約を将来に向けて解約、終了させるものです。合意解約では会社の受理(承認)が必要になりますので、「受理(承認)」(人事権限を有する管理職などによる必要あり)がなされるまで労働者からの退職願は撤回可能という特徴があります。 辞職と合意解約(退職願の提出・受理)では、一方的な意思表示か、合意によるかという違いのほか、辞職では予告期間が必要ですが、合意解約では当日にでも労働契約を終了できる点が異なります(当然、合意により具体的な退職日を決めることもできます。)。 ただ、実際の退職にまつわる局面では辞職と合意解約(退職願の提出・受理)で、どちらに位置づけられるか微妙な場合もあるかもしれません。そうした場合、労働者の保護という観点から、労働者が雇用契約を即時に終了させたいという意思 が明らかな場合に限り辞職の意思表示と見るべきで、そうでない場合は退職の確定時期が遅くなる合意解約と位置づけるべき場合が多いでしょう。 どちらも急な退職につながるものですが、業務の引き継ぎ、会社からの貸与品返還や私物の持ち帰り、業務情報の返還・消去など、重要な事項の取扱いを定めて実施する必要があるでしょうから、会社は労働者と十分協議の上で退職日やそれまでになすべきことを十分話し合い、円滑な退職につなげる必要があるでしょう。

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2024年4月に出た2つの重要最高裁判例のご紹介

2024年4月に、いずれも高等裁判所の判断を破棄した重要な2つの労働判例が最高裁判所にて言い渡されましたのでご紹介します。 最三判令和6年4月16日 ~事業場外みなし制度の適用の可否~ 事案の概要  1つ目の事件は、外国人の技能実習に係る管理団体において指導員として勤務する労働者が、時間外労働・休日労働・深夜労働に係る賃金の支払を求めた事案です。労働者は、技能実習生の訪問指導のほか、来日時等の送迎、日常の生活指導や急なトラブルの際の通訳等を行う業務に従事していました。労働契約上は、労働時間は、午前9時から午後6時まで、休憩時間は正午から午後1時と定められていましたが、労働者は自らの一日の仕事のスケジュールを自分で管理し、休憩時間は日によってばらばら、タイムカードによる労働時間の管理もなく、自らの判断で直行直帰もできていました。なお、携帯電話は貸与されていたものの、随時臨時的に指示を受けたり、報告したりすることもありませんでした。その他、月末に、就業日ごとの始業時間・終業時間・休憩時間のほか、訪問先、訪問時刻及びおおよその業務の内容を記入した業務日報を会社に提出して、その確認を受けていたという事実が認定されています。 争点  この事案で、会社側は、事業場外で従事した業務の一部は労働基準法38条の2第1項(以下「本件規定」といいます)に定める「労働時間を算定し難いとき」にあたるとして、労働者の主張する残業時間の計算を争いました。本件規定に定める制度は「事業場外みなし労働時間制」といわれ、実際の労働時間を会社が把握することが難しい場合に、実労働時間と関係なく、所定労働時間や通常必要とされる時間働いたものとみなして労働時間を計算することを認める制度です。会社側は、実労働時間ではなく、みなし労働時間を使って計算すれば、残業時間の合計は労働者の主張よりも少なくなるという主張をしたわけです。 この制度のメリットは、労働時間の計算を簡単にすることができる点にありますが、安易に利用されてしまうと、常態的なサービス残業を認めてしまうことになるので、「事業場外」で業務に従事したこと、「労働時間を算定し難いとき」であることという厳しい要件をクリアする必要があります。特に「労働時間を算定し難いとき」に当たるか否かについて、裁判所はかなり厳格に判断する傾向にありました。 リーディング・ケース   この論点のリーディング・ケースとなる事件が阪急トラベルサポート(派遣添乗員・第2)事件(最二判平成26年1月24日裁判集民事246号1頁、以下「平成26年最判」といいます。)です。この事案では、海外ツアーの添乗員について、事業場外みなし労働時間制の適用の可否(特に「労働時間を算定し難いとき」に当たるか否か)が問題となりましたが、最高裁は、「労働時間を算定し難いとき」に当たるとはいえないと判断しました。平成26年最判は、判断の考慮要素として、「業務の性質、内容やその遂行の態様、状況等、業務に関する指示及び報告の方法、内容やその実施の態様、状況等」を挙げ、その後の裁判例でも今回の事案でも上記考慮要素が検討されています。 裁判所の判断  原審(高等裁判所)は、「労働時間を算定し難いとき」にあたらないと判断しました。それは、労働者が業務日報を作成し、その内容はある程度正確性が担保されていたことを理由としています。  しかしながら、最高裁判所は、今回の事案においては事業場外における勤務の状況を会社が把握することは容易であったとはいえないと判断し、業務日報についても正確性が担保されたものではないと判断し、「労働時間を算定し難いとき」に当たるか否かを再度審理させるため、原審に差し戻しました。 講評  平成26年最判以降の裁判所の厳しい判断を踏まえて、現代において、仕事用の携帯電話を持たせ、業務に関する報告をさせている状態では、いくら事業場外で仕事をしていても、みなし労働時間制はほとんど使えないのではないかと言われていました。今回の最高裁判例で、事業場外みなし労働時間制度が、形式的に日報での報告や携帯電話を持たせて業務連絡をさせているだけで否定されないことが明らかにされた点は重要な意義があると考えられます。さらに、本最高裁判決の「林道晴」判事の補足意見には、事業場外労働が、外勤や出張等の場面だけでなく、在宅勤務やテレワークの局面でも活用されていることに触れ、事業場外みなし労働時間制を定型的に判断することが難しくなってきている旨記載されています。働き方の多様化によって、実務的にも事業場外みなし労働時間制の適用範囲が拡大している点を最高裁判所も考慮している点も注目すべき点といえます。 最二判令和6年4月26日 ~職種限定合意がある場合の配置転換の可否~ 事案の概要  2つ目の事案は、滋賀県福祉用具センターに勤務していた従業員が、福祉用具の改造及び製作並びに技術の開発に係る「技術職」として採用されたのに、「総務課施設管理担当」(事務職)に配置転換されたことが違法であるとして、損害賠償等を求めた事案です。  裁判所の事実認定では、労働者と使用者との間には、「職種及び業務内容を技術職に限定する旨の合意があった」と認定されています。 争点  本件では、まさしく使用者に事務職への配置転換を行う権限があったか、権限があったとしても権利濫用に当たらないかが争われました。 過去の裁判例の傾向  過去の裁判例は、長期雇用システムを前提とする日本の雇用慣行の中では人事権の一内容として広範な配置転換の権限を会社に認めてきました。しかしながら、就業規則よりも労働契約での合意が優先すると定められていることから(労働契約法第7条 但書)、職種や勤務場所を限定する合意が認定された場合には、会社側は配置転換ができないというのが原則となります。したがって、これまで会社側としては将来において柔軟な雇用調整が行えるように、労働契約上は職種の範囲は曖昧にしておき、就業規則において広範な配置転換の権限を定める例が多かったといえますし、裁判所も長期雇用システムを背景に、職種限定の合意を認めることに消極的な傾向がありました。  ところが、令和6年4月1日より施行されている労働基準法施行規則の改正によって、労働条件通知書には「就業の場所及び従事すべき業務に関する事項(就業の場所及び従事すべき業務の変更の範囲を含む。)(同規則第5条第1項1号の3)の記載が必須となりましたので、今後は職種限定の合意の認定はより厳しく判断されることが予想されます。 裁判所の判断  原審(高等裁判所)は、配置転換の権限を認め、かつ配置転換命令は権利濫用に当たらないと判断しました。しかしながら、最高裁判所は、「労働者と使用者との間に当該労働者の職種や業務内容を特定のものに限定する旨の合意がある場合には、使用者は、当該労働者に対し、その個別的同意なしに当該合意に反する配置転換を命ずる権限を有しない」と判断し、職種限定の合意がある本件では、そもそも配置転換命令の権限がないと判断して、原審に審理を差し戻しました。 講評  今回の最高裁判例の判断は、最高裁が初めて職種限定合意がある場合の配置転換権限について判断を示した点で注目されていますが、この点は、これまでの下級審裁判例の結果を踏襲するもので、特に目新しいものではないと考えます。しかし、法改正による異動範囲の明確化や働き方の多様化に伴う長期雇用システムの変化を踏まえて、今回の最高裁判例をきっかけに、裁判所が職種限定の合意の認定を今までよりも積極的に認定する傾向があるのではないかと考えられる点で重要な判例だといえます。また、職種限定合意が認められやすくなることの弊害として、業績悪化時の解雇回避措置としての配置転換や、ハラスメント発生時の雇用環境調整措置としての配置転換が使いづらくなるのではないかという懸念があります。この点でも本最高裁判例が実務に与える影響は小さくないと考えます。

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【令和7年4月予定】育児・介護休業法と次世代育成支援推進法の改正案について

ご閲覧頂きありがとうございます。HiELCC相談員の福田です。 令和6年3月に、育児・介護休業法と次世代育成支援推進法の改正案が国会に提出され、可決されれば、令和7年4月より施行される見込みです。 この改正は、男女ともに仕事と育児・介護を両立できるようにすることを目的としています。 子どもの年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充や、育児休業の取得状況の公表義務の対象拡大、次世代育成支援対策の推進・強化、介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化等が盛り込まれています。 改正の概要を3つにまとめると、 【育児・介護休業法】子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充 具体的には ①3歳以上の小学校就学前の子を養育する労働者に関し、事業主が職場のニーズを把握した上で、柔軟な働き方を実現するための措置を講じ(※)、労働者が選択して利用できるようにすることを義務付けます。また、当該措置の個別の周知・意向確も義務付けられます。 ※ 柔軟な働き方を実現するための措置とは、 ・始業時刻等の変更 ・テレワーク ・短時間勤務 ・新たな休暇の付与 ・その他働きながら子を養育しやすくするための措置 これらのうち事業主が2つを選択することになります。 ② 所定外労働の制限 (残業免除) の対象となる労働者の範囲を、小学校就学前の子 (現行は3歳になるまでの子) を養育する労働者に拡大します。  子の看護休暇を子の行事参加等の場合も取得可能とし、対象となる子の範囲を小学校3年生(現行は小学校就学前)まで拡大。勤続6月未満の労働者を労使協定に基づき除外する仕組みは廃止。  3歳になるまでの子を養育する労働者に関し事業主が講ずる措置(努力義務)の内容に、テレワークを追加します。  妊娠・出産の申出時や子が3歳になる前に、労働者の仕事と育児の両立に関する個別の意向の聴取・配慮を事業主に義務付けます。 【育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法】育児休業の取得状況の公表義務の拡大や次世代育成支援対策の推進・強化  育児休業の取得状況の公表義務の対象を、常時雇用する労働者数が300人超(現行1,000人超)の事業主に拡大します。  次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画策定時に、育児休業の取得状況等に係る状況把握・数値目標の設定を事業主に義務付けます。  次世代育成支援対策推進法の有効期限(現行は令和7年3月31日まで)を令和17年3月31日まで、10年間延長します。 【育児・介護休業法】介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化等 ① 労働者が家族の介護に直面した旨を申し出た時に、両立支援制度等について個別の周知・意向確認を行うことを事業主に義務付けます。 ② 労働者等への両立支援制度等に関する早期の情報提供や、雇用環境の整備(労働者への研修等)を事業主に義務付けます。  介護休暇について、勤続6月未満の労働者を労使協定に基づき除外する仕組みを廃止します。  家族を介護する労働者に関し事業主が講ずる措置(努力義務)の内容に、テレワークを追加する等の措置。 になります。 2025年も引き続き、子育て・介護に関する改正が盛りだくさんの予定です。 これからはテレワークを可能にするなど社内制度を整備し、柔軟な働き方を従業員が選択できる環境が必要です。 経営者や人事労務担当者は、従業員が育休・介護休業を取得しやすい環境を整備し、誰もが働きやすい会社を目指して行きましょう!

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解雇のルールについて

こんにちは。HiELCC相談員をしている吉田です。 解雇とは、使用者の一方的な意思表示により労働契約を終了させることをいいます。 まず労働基準法では 労働者を解雇しようとする場合には、少なくとも30日以上前に予告をするか、30日分以上の平均賃金を支払わなければなりません。 平均賃金を何日分か支払った場合には、その日数分だけ予告期間を短縮することができます。(第20条) 予告は口頭でも有効ですが、言った言わないのトラブルを防ぐためにも文書で行うようにしましょう。 また解雇の予告がされた日から退職の日までの間に、労働者から解雇の理由について証明書の請求があった場合には、使用者は遅滞なくその証明書を交付しなければなりません。(第22条第2項) それでは上記の手順を踏めば誰でも解雇ができるのかといえばそうではなく、労働契約法で 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。(第16条) となっています。 つまり気に入らないからとか、些細なミスをしたといった程度では解雇は認められないということになります。 就業規則に解雇事由を記載したうえで、まずは指導・教育に力を入れる必要があります。 解雇の有効性については最終的には司法での判断となり、双方に金銭的にも時間的にもコストが発生してしまいます。 トラブルを未然に防ぐためにも、簡単に解雇するのではなく、しっかり労使のコミュニケーションを取りながら、また裁判例も参考にしながら慎重に進めていくことが必要となるでしょう。 最後に解雇制限(解雇が禁止されているケース)の主なものについて記載しますのでご留意ください。  労働基準法 ・業務上災害のため療養中の期間とその後の30日間の解雇 ・産前産後の休業期間とその後の30日間の解雇 ・監督機関に対する申告を理由する解雇  男女雇用機会均等法 ・性別を理由する解雇 ・結婚、妊娠、出産、産前産後等の休業を理由する解雇 ・育児介護休業法 ・育児休業・介護休業等を取得したことを理由とする解雇 詳しくは、HiELCCまで遠慮なくお問い合わせください。 広島県・今治市雇用労働相談センターでは、月曜から金曜までの午前9時から午後5時まで、弁護士・社労士が無料で相談に対応しております!

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労働時間の適正な把握について

皆様こんにちは。HIELCCの相談員をしています特定社会保険労務士の吉田輝明です。 あなたの会社では労働時間をきちんと把握されていますか? 「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」が平成29年1月20日に策定されています。 その中のポイントとして「使用者には労働時間を適正に把握する責務があること」があります。。 まず労働時間の考え方ですが 労働時間とは使用者の指揮命令下に置かれている時間であり、 使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たること とされています。 例えば、参加することが業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講や使用者の指示により業務に必要な学習等を行っていた時間は労働時間に該当します。 また、着替え時間、掃除の時間、始業前に行う朝礼時間等も同様に業務上義務づけられているのであれば労働時間に該当します。 次に労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置ですが 〇使用者は、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、適正に記録すること とされています。 まず原則的な方法としては ◯使用者が、自ら現認することによる確認 ◯タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し適正に記録 となります。 やむを得ず自己申告制で労働時間を把握する場合ですが 自己申告を行う労働者や、労働時間を管理する者に対しても自己申告制の適正な運用等ガイドラインに基づく措置等について、十分な説明をおこなうこと 自己申告により把握した労働時間と、入退場記録やパソコンの使用時間等から把握した在社時間との著しい乖離がある場合には実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすること 使用者は労働者が自己申告できる時間数の上限を設けるなど適正な自己申告を阻害する措置を設けてはならないこと。さらに36協定の延長することができる時間数を超えて労働しているにもかかわらず、記録上これを守っているようにすることが、労働者において慣習的に行われていないか確認すること とされています。 企業や業種によっては自己申告制を取らざるを得ないケースはあるでしょうが、上記のルールを守ることによって労使のトラブルを未然に防ぐことができます。 もっと詳しく知りたいという方は広島県・今治市雇用労働相談センターまで お問い合わせください 広島県・今治市雇用労働相談センターでは月曜から金曜の9時から17時00分まで 弁護士・社労士が無料で相談に対応しております! 

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